
2025年大阪・関西万博において、ポルトガル館は「World Expolymics」にて合計3つの賞を受賞しました。「海 ― 青の対話(Oceano, Diálogo Azul)」をテーマに掲げたポルトガル館は、ベストテーマコンセプト部門で金賞(ゴールド賞)を受賞し、海洋保全の重要性、環境意識、そして地球規模での責任を強く訴えました。さらにベストエクステリア建築部門およびベストプレゼンテーション部門でそれぞれ銅賞(ブロンズ賞)を獲得しました。また、国際的な審査機関である Experiential Design Authority(TEDA)主催の本コンペティションでは、ベストミディアムパビリオン部門とベストマスコット部門でも第4位に選ばれました。
「海 ― 青の対話」は、ポルトガルを海と深く結びついた国として紹介し、約500年にわたる日本との関係を想起させます。1998年リスボン万博においても、ポルトガルは世界で初めて海洋問題を国際政治議題として提起した実績があります。イノベーションと未来志向のビジョンを通じて、ポルトガル館はグローバルな持続可能性の課題に取り組み、2025年大阪・関西万博のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」とも調和しています。
「体験デザインのオリンピック」として知られるこのコンペティションは、2025年大阪・関西万博における創造性、イノベーション、そして体験デザインの優れた事例を表彰するものです。受賞結果はアメリカ館で開催された特別セレモニーにて発表されました。
ポルトガル共和国 経済・領土結束大臣のマヌエル・カストロ・アルメイダ氏は次のようにコメントしています。「ポルトガルは、2025 年大阪・関西万博への参加テーマとして『海』を選んだことは的確な選択でした。ポルトガル館は、ブルーエコノミーや観光、文化における海洋の重要性を強調するためにデザインされました。これらの受賞は、私たちがイノベーションと未来志向のビジョンを通じて、グローバルな持続可能性の課題に明確な回答を示していることが認められたものです。」
AICEP総裁のマダレナ・オリヴェイラ・イ・シルヴァ氏も次のように述べています。「ポルトガル館が国際的に認められたことは、イノベーションとサステナビリティへの投資が、国のイメージや経済に具体的な成果をもたらすことを示しています。AICEPは、ポルトガルの国際的な存在感を高め、戦略的な投資を呼び込み、輸出のための新たな市場を開拓するために取り組んでいます。これらの受賞は、私たちが自国のアイデンティティと優れた産業分野を世界に発信することに成功している証です。これは、ポルトガル企業が国境を越えて新たなチャンスを築き続けるための大きな励みとなります。」
ポルトガル館は、ポルトガル投資貿易振興庁(AICEP:Agência para o Investimento e Comércio Externo de Portugal)が企画・運営しています。設計は世界的に著名な日本人建築家・隈研吾氏が手がけており、吊るされたロープやリサイクルネットを用いた構造が特⾧で、太陽や風といった自然環境にさらされることで独特の存在感を生み出しています。その印象的な外観と多彩なプログラムにより、すでに約200万人の来場者を魅了しています。
ポルトガル館コミッショナー・ジェネラルのジョアナ・ゴメス・カルドーゾ氏は、次のように述べています。「これらの受賞を大変嬉しく思います。私たちの使命の成功と、海洋を守り、その価値を高めることへのこだわりの重要性が改めて強調されたと考えています。」
オセアノ・アズル財団およびリスボン海洋水族館(Expo’98のメインシンボル)は、ポルトガル館の戦略的パートナーとして初期の企画段階から深くかかわり、館内で展示や没入型ビデオ、日本の「海の日」記念プログラムなどに貢献しました。これにより、両団体が海洋保全において果たす戦略的な役割が改めて強調されています。
ポルトガル館には460を超える団体が関わっており、これまでに360回以上のイベントを開催しています。また、国連事務総⾧のアントニオ・グテーレス氏、欧州理事会議⾧のアントニオ・コスタ氏、そして最近ではルイス・モンテネグロ首相など、著名な要人も多数来館しました。さらに、数多くの企業、市町村、協会、大学、財団、文化機関もポルトガル館を訪れています。
ポルトガル館のマスコット「ウミ」は、万博においてベストマスコットの一つに選ばれました。ウミはタツノオトシゴをモチーフにしており、海を通じて結ばれるポルトガルと日本のつながりを象徴しています。「ウミ」は日本語で「海」を意味します。このマスコットは、ポルトガル政府観光局によってデザインされ、約500年にわたる協力と文化交流に彩られた両国の歴史的な関係を表現しています。
ファイナリストは、厳格な審査過程を経て選出されました。審査員は、コンセプトとデザイン、創造性とイノベーション、参加性と没入感、実施・構築の完成度、そして総合的なインパクトといった観点からエントリー作品を評価しました。
詳しい情報や各部門・受賞者の一覧については、以下をご覧ください:
https://www.experientialdesignauthority.com/post/world-expolympics-finalists-announced
アンダース・レナート | [email protected]
チョン・ヒョンス | [email protected]